2008年1月 オーバーホールついでに ピストン交換しました
FENNEC SJ用フラットピストン ボア86.5mmです ちょうど排気量800ccになります 今回、急いで組みましたので写真はありませんが ピストン形状などまったく同じでした
オーナーの希望で もう少し高回転型にします
詳細は
排気 開:96.5°BBDC  閉:96.5°ABDC
掃気 開:63°BBDC  閉:63°ABDC
ドーム容積 25cc 圧縮比 9.0:1
ピストンクリアランス 17〜16/100

今回はポートタイミングのみ実測して圧縮比は ポートタイミング変更に伴う有効圧縮ストロークの減少分と ピストンボアアップによる 排気量増加分からの計算で 圧縮比を決めました
圧縮比を少し下げたのは 高圧縮によるポンピングロスを減らしたかったからです

試運転
前回と同じ用に少し濃い目の混合ガソリンで1タンク行い その後全開のテストです
キャブのジェットセッティングは変更なしです 排気量が増えたからと言ってキャブのジェットを大きくする必要は無いと思います 大幅な仕様変更がない場合ですが 多少排気量が多くなった分 吸い込む空気量は増えますが その分ベンチュリーを通る流速が上がりますから結果として燃料も増えます これはキャブの最大の利点です 今回もおおよそセッティングは合っていますので しばらくこのまま様子を見ます
さて、結果ですが
ポートタイミング変更による中速トルクの減少を排気量でカバーできたようです 思ったより中速トルクが減っていません 高回転のパワーは確実に上がっています 回せば回すだけパワーが出るような感じのエンジンに仕上がりました
回すのが楽しいエンジンです オーナも喜んでいます!




2006年11月、仲間から「スーパーストックを作って」と頼まれまして 製作することになりました
R&Dは価格が、、 FENNECから販売している スリーブとピストンで製作しました

今回購入した部品単体

FENNEC 
ドミネータータイプスーパーストックスリーブ
スリーブ外形 91mm フランジ形 100mm
排気ポートがでかいです これでピストンリングが引っかからないのかな
FENNEC
SJ用フラットピストン 
ボア 84.5mm ワイセコ製です
フラットといっても若干凸はあります 
フラットピストンはS/V比が多少小さくなり熱効率が上がりますが これくらいではさほど関係ないかな

純正品との比較

ピストンの比較 (純正ピストンは700Sj用です)

ピストン長は純正とまったく同じですピストントップのフラット形状が良くわかります 一番の特徴は ピストンピンの位置が上方へ少しオフセットされています これにより1次圧縮があがります S/V比が小さくなるということよりも 1次圧縮が上昇する効果の方が大きいのではないでしょうか? 重さを比較しようと思いましたが すっかり忘れていました 未計測です

スリーブの比較

左スーパーストック、中760用まったくの未加工品、右700SJ用ですが排気タイミングを93度に加工してあります
スーパーストックスリーブは全長が見てのとおり短いです 写真のように置くと 各ポートは低くなってしまいます 掃気ポート間のリブが細く シリンダー側を削る必要があります また、ピストンリングの合口部分のリブが 純正より太く純正の太さまで 掃気ポートの拡大加工が必要です

700SJの未加工品のシリンダーからスリーブを抜き シリンダーをボーリング、スーパーストックスリーブを面一まで打ち込むとノーマルポートにぴったり合うよう設定されています おまけに ピストンハイトの違い、スリーブ長の違いで ポートタイミングをチューナーの考えで自由に設定できるように設計されています
排気タイミングで言うと 計算上、90〜96度の間で設定可能です よく考えられていますね! 掃気距離も多少なりとも 短くなりますしね

シリンダーの下準備

シリンダーの加工

純正スリーブを抜き ボーリング、スリーブを打ち込む前に 掃気ポートをスリーブに合わせて削っておきます スリーブがあるとなかなか削れませんから (このシリンダーは今回製作したものとは別物です)
この後、ボーリング屋さんに出します
排気ポートは スリーブ打ち込み後に加工します 

ポートの加工

排気ポートの加工

ボーリング屋さんから 出来上がってきました
排気タイミングを今回 93度に設定しましたから シリンダー下面を面研後、スリーブを打ち込みピストンサイズにボーリング、その後シリンダー上面を面研、これでピストンハイトの違いを吸収します

排気ポートの大きさ、形状の違いが良くわかります こちらは後からでも削れますから 本来、スリーブ出口付近はシリンダー接線に対して90度の角度で削りたいのですが ウォータージャケットに貫通してしまいます ギリギリまで削るとクラックでも入りかねませんから これくらいが限度かな

掃気ポートも 実際スリーブを入れて合わせたわけではないので スリーブ打ち込み後 シリンダーとスリーブのずれを合わせるために 若干削って修正します

シリンダー組み込み

シリンダー組み込み

今回は クランクオーバーホール芯だし、クランクケース新品でスリーブが入る部分をボーリングと 若干加工しています 
特に変わった組み方ではなく 規定トルクで組み付けますが クランクケース内のバリ取り シリンダーボーリング後の各部面取り サークリップの合口の修正後 組み付けます ごく一般的な組み込み方です
2006年仕様のページにあるように 360度分度器によるポートタイミングが設定のとおりになっているかをチェックして ヘッドドームの容積決定のため ピストンクラウン容積を ビュレットによる計測を行い ドーム容積を決定します 

排気 開:93°BBDC  閉:93°ABDC
掃気 開:61°BBDC  閉:61°ABDC
ドーム容積 25cc 圧縮比 9.2:1
ピストンクリアランス 13〜14/100

フライホイールカバーはタイミングライトによる点火時期調整用のもので 調整後交換します

完成

完成

手配したドームも届き エンジンは完成しました
ついでに 排気マニホールドの出口とヘッドパイプの入り口を 50Фに拡大加工をして積み込みました
圧縮圧力は 20分アイドリング後 12.8K(参考値)です

その他、細かい仕様は
キャブ    フルスペクトラム48Ф
        MJ-115 PJ-135 VS-2.5 SP-115g
        LO-AJS 1.0 HI-AJS 1.0

点火装置  TIO DC−MAXREV 2
        初期点火時期 25度BTDC
        遅角開始回転数 5500RPM
        遅角後回転数 15度BTDC

チャンバー ファクトリーパイプMOD

リードバルブ V-Forceデルタ2

テスト走行

製作を依頼された 仲間と慣らしです

慣らしは1タンクと決めて オイルを少し多目に入れて 退屈な慣らし運転です
さすがオーナーは 淡々とこなしていました 私も手伝うことにして試乗です さて、できばえは?
慣らし中で アクセルは半分まで 回転数はおそらく 回っても 5〜6000rpmまで位だと思いますが 急に回さずゆっくり負荷をかけながら乗ります この時点で 違いは体感できますね 我ながら良い出来と思います
後は オーナーに任せておきます ほとんど1タンク使い切ったくらいで 5Lほど給油して オイル混合比を正規の混合比にちかずけて行きます 「多少回してもいい」と了解を取り キャブセッティングのチェックをしてOKです
エンジン組み込み後、ダラダラとアイドリング、慣らしをしてきましたから プラグがだめみたいで新品に交換、燃料満タン いよいよ全開です おかげさまでオーナーから 合格点をもらいました

私の感想
一言、私のジェットよりパワーがあります 
伸びっきりは同等かな、後は完全に今回製作したエンジンが上回っています
レスポンス、中間域のトルクが特に違います
これほど違うとは、、 いい勉強をさせていただきました
仲間にスーパーストック、ドライチャンバー仕様に乗っている人がいまして そのジェットには オーナー共々乗ったことがあります 確かに高回転のパワーはありますが 中間域がちょっと鈍いような感じでして もう少しトルクバンドを下げたほうが フリースタイルには向いていると思います これは好みもある思いますので 一概には言えませんが 今回製作したエンジンは その狙い通りに仕上がったと思います
私のジェットと製作したジェットは チャンバー、フライホイール、点火時期もほぼ同じです 違いは排気ポートと1次圧縮そして キャブとインジェクションの違いです この違いだけでこんなに違うのでしょうか?

ということで 2006年も12月、さすがにシーズンオフです
この時期に私のエンジンも少しいじってやろうかとたくらんでいます 私のエンジンは排気タイミング96度になっていますので 下げることはできません そのままスリーブを抜いて 排気ポート形状、掃気ポート形状を今回のスーパーストックスリーブの形状に加工するつもりです 1次圧縮も変更したいのですが ピストンを変えないとできません 今回はポート形状のみとするつもりです これでどれだけ違うのか試してみようと思います

今から なんだかワクワクします 楽しみです
私のエンジ製作の様子は 2007年仕様として新しいページを作るつもりです
興味のある方は また、覗いてみてください