エンジンの燃料噴射制御
エンジンの3大要素は 良い圧縮、良い混合気、良い火花です。 現在の車はこの中の良い混合気と 良い火花を作る部分を担当します その他エミッションコントロールなども行います。今回は ジェットスキーということで良い混合気を作るところを 電子式に変更しました

良い混合気は エンジンに吸入された 空気に見合ったガソリンを噴射すればできることから 吸入空気量を計量する必要があります。吸入空気量計量方法はいろいろありますが ジェットスキーに適しているものは 汎用性があり、構成部品が少なく、 吸気管のレイアウトが自由で、吸気脈動の影響を受けないα−N式を採用しました。
α−N(スピードスロットル)式は スロットル開度と エンジン回転数から吸入空気量を 予想します
この制御は Lジェトロの用に吸入空気量を計量するのではなく これぐらい空気が入るだろうという 予想です(Dジェトロも同じです)今の車には排気ガス規制の関係で 使用されていないと思います 今はレーシングカー、バイク、ジェットスキーなどの制御に使用されています。


燃料噴射制御の吸入空気量計量方法
Lジェトロ フラップ式 吸入空気により フラップを回転させることにより検出します。 現在はほとんど使われておりません。
Lジェトロ ホットワイヤー式 吸入空気により奪われる熱量を吸入空気量として検出します。主に日産車が多く採用しています。
Lジェトロ カルマン渦式 流体中に物を置くと 後方にカルマン渦が 発生します この渦を空気量として検出します。主に三菱車が多く採用しています。
Dジェトロ 吸気管圧力センサー式 吸入管圧力とエンジンの回転数から吸入空気量を予想検出します。主にトヨタ車に多く採用されています
スピード スロットル α−N式 スロットル開度とエンジン回転数から吸入空気量を予想検出します。


今回、使用した エンジンコントロールコンピューターは FCデザイン製です
モンキー用に作成された物ですが 汎用性が 非常に高く 今回、ジェットスキー使用しました
このエンジンコントロールコンピューターは 以下の用な制御が可能でたいへんすぐれています

詳しく お知りになりたい方はをご覧ください

FCデザイン様のホームページにフューエルインジェクションの
採用事例として紹介されていますので
そちらもご覧ください
セティングの各種制御
基本噴射制御 エンジン回転数とスロットル開度で算出し 基本となる噴射時間
暖気補正制御 エンジン温度(冷却水温)による 噴射時間の増減
始動増量補正制御 エンジン始動後 回転が安定するまでの増量
始動時噴射量制御 エンジン始動時(クランキング時)の噴射時間
非同期噴射制御 急激なスロットル変化による 燃料不足を 補うための基本噴射以外の噴射
フューエルカット制御 スロットル OFF時の不必要な燃料噴射の停止
レブリミッター 回転数のリミッター 今回はCDIでリミッターを駆けるので使用しません



インジェクションの燃料制御の仕組み

燃料の供給は インジェクターからの燃料の噴射です
一般的に クランクシャフト1回転に 燃焼に必要なガソリンが1回噴射されます ガソリンの量は 噴射する時間で制御します 噴射時間が短ければ 少ない量、噴射時間が長ければ 多い量です

6000RPMで回転しているエンジンは 1秒間に 100回転します 1回転するのに 10ms(ミリセカンド、10/1000秒)かかります
このエンジンで 6000RPMで 10msの噴射時間でも燃料が 薄い場合 インジェクターのサイズを大きくします インジェクターは 主に 1分間の最大噴射量で 表示されます 今回使用したインジェクターは 毎分550cc噴射できる大きさです


電源電圧とインジェクション

インジェクション仕様は キャブ仕様より多くの電力を必要とします
ほとんどのインジェクション仕様(車も含めて)は電源電圧13.8Vが基準電圧です

電源電圧が下がると 一番影響を受けるのが フューエルポンプです、直流モーターを使用していますから 電圧降下でモーター回転数が下がってしまいます 回転数低下=燃圧低下ということになってしまいます 
インジェクションの場合 燃圧は非常に重要で 噴射量に影響してしまいます
結局、電圧低下のために燃圧が下がり 必要量の燃料が供給されないということになります 
次に インジェクターの無効噴射時間
インジェクターは 電磁石で プランジャーを引き上げて 燃料を噴射します
ちょうど 燃料の入る方向は逆になりますが ジェットのキャブのバルブシート内の鉛筆のようなものを 電磁石で引き上げるようなものです
このとき コンピューターから 開ける信号が出てもすぐには開けられず少し遅れて全開になります
この、遅れる時間を 無効噴射時間と言います
通常、この時間は使用するインジェクターにもよりますが 14V時に0.8〜0.9msです 電圧が下がると 立ち上がりが遅くなり もっと時間がかかるようになります 
14Vから下がれば下がるほど 時間がかかるのは 補正できますが インジェクターによるばらつきも 多くなってしまいます

いずれの場合も 燃調がずれてしまいます

インジェクションの場合 バッテリーが上がるという問題よりも 電源電圧が下がるということが 非常に重大な問題になってくるのです
KAWASAKI 750SXI-Proの時は アイドリングで 13.5Vありましたから この点は大丈夫でした。

私のSJの場合
バッテリーフル充電で エンジン回転中アイドリングで 12.6V位です。
実際走行中の電圧は 計測したことはありませんが おそらく この電圧を下回ることはないと思います、 1〜1.5タンク乗った後は12.2Vまで落ちます。 (このときは 電動ビルジポンプは使用していません)
フューエルポンプ制御の設定をするときわざと 低めの電源電圧(11.8V)で設定しましたから おそらく 12Vをきらなければ 無効噴射時間も含めて さほど問題にはならないと思います(今までの経験上です)が 12Vを切ると 上記のような問題が出てくると思います

YAMAHA 700SJの場合 電源電圧は 重大な問題ですが 毎回フル充電して乗っていれば 今のところは 大丈夫みたいです