実際のセッティングは 車や バイクと違い 陸上で使うものではないので 水上で 行わなければなりません。
しかも トランスミッションがないため ニュートラル(無負荷)の 空ぶかしでテストしてもあまり意味がありません アイドリングも 陸上と 水上とでは 全然回転数が違います また、アイドリングでも インペラが回っていますので 負荷がかかっております 車など 通常アイドリングは 無負荷ですから 理論空燃費付近で燃焼していればいいのですが ジェットはもう少しリッチ方向でないと アイドリングがしないと予想されます。

ジェットのエンジン負荷は 車のオートマチック車に 似ています。
アイドリングは
オートマチック車が Dレンジで ブレーキを踏んで 止まっている状態が ジェットのアイドリングです。
全開加速は
オートマチック車は2500RPMまで 吹き上がりある程度スピードに乗ると 回転数とスピードが上昇します。
ジェットの場合は この回転数が おそらく 4500RPM〜6000RPM位だと思います。スタンドアップのジェットだと タコメーターもありませんので 未確認ですが ランナバウトで5000RPM位でした



私のパソコンです
P2 400のB5ノートです
ジェットのコンピューターセッティングは これぐらいのスペックがあれば 十分です。 HIスペックのパソコンでは 壊したらたいへん なんせ水辺で 濡れた手でさわりますから

セティング中の私
この写真は 3月下旬です
まだ ゲレンデは 空いてます

真冬は もちろんドライスーツ


陸上で アイドリングと ある程度の回転数まで 吹き上がるところまで セッティングをして 水上へ持っていきました。
水上なので 高価な測定器を 積んで走るわけにもいかず 勘と経験が 必要です
エンジンベンチの代わりに トレーラーから ジェットをおろさず、運搬時よりもしっかり固定して ポンプからエアーを吸わないくらいまで 水に入れて エンジンベンチの代わりとしました。幸い冬なので 他のジェットの引き波などがありません、またこちらのジェット噴流も他の人の邪魔になりませんので 助かりました

実際の基本噴射時間の調整画面です

3D画面の 横が回転数、奥行きがスロットル開度、高さが噴射時間です
アイドルは左下、高回転アクセル全開が右上です
グラフ上の交点青い丸印が 調整する場所になります
スロットル軸、回転軸は 自由に増やしたり、減らしたり 思いどうりに設定できます

(画像は実際のジェットのデーターではありません)
回転数軸の断面です

横軸、アクセル開度
縦軸 、噴射時間
各回転軸を見ることで おおよその噴射時間が見やすくなります。

アイドリングの燃料調整

まず、各種補正は すべてOFFにしておきます
エンジンを始動します、PCをつないで 燃料を 増減して 一番アイドリングが 高くなるところを 探します
回転数を 目標回転数にしながら 上記操作を繰り返します
目標回転数になったら このときの回転数、スロットル開度、噴射時間、エンジン温度(水温)をデーターモニターで表示させて控えておきます

スロットルを徐々に開けてのデーター取り

エンジンはエンジン温度(水温)に敏感です。スロットルを徐々に開けていくうちに エンジン温度が変わりますので 各ポイントでの温度が なるべく同じになるように 温度が高ければ回転ををとし冷やしてから、低ければ 回転を上げて エンジン温度を上げてから 行います。 テストする温度は ゲレンデの水温によって合わせやすい温度を決めて行います。
スロットルを 少し開けて 1000RPM位アイドリングから吹き上がった状態で スロットルを固定して アイドリングの時と同じ操作をして データーを取ります

これを繰り返して スロットル開度 40%位で 5800RPMまで データーを取りました

当初は スロットル全開まで行う予定でしたが ジェットが トレーラーから飛び出しそうで 中止です 全開まで行えば早くセッティングがでますが ケガや ジェットの損傷は いただけません 安全第一です

ジェットに乗っての調整

急なアクセル操作は のちに 非同期噴射で 調整するので アクセルレスポンスは 無視してセティングを 進めていきます

基本は キャブと同じような調整方法です 全開での プラグチョップなどで 噴射時間を 調整します
但し キャブの調整箇所は メイン、パイロット各ジェット HI、LOスクリュー ポップオフプレッシャー 燃圧位で しかも 流速により ある程度 自動的に調整されます。
インジェクションは すべての噴射時間を 入力しなければなりません。
ここからが 経験と 勘が 必要になります
たとえば アクセル開度が20%とより40%の方が燃料を 多く入れます 80%と100%では 100%の方が 多いですが その差 20%も燃料は 違いません、同じアクセル開度で 3000RPMと4000RPMでは ほとんど同じ燃料か 4000RPMの方が若干少ないくらい、 などです
自動車用エンジンコントロールコンピューターのDジェトロ(圧力センサー方式)燃料充填効率MAPを参考にしましたが 4サイクルと、2サイクルでは 充填効率が だいぶ違いました
前回、トレーラー上で 取ったデーター(スロットル開度40%まで)と 実際の全開時のデーターを元に 各スロットル開度、各回転数のデーターを 予想して 入力していき そこそこ走行できるまでの MAPを作成します


非同期噴射は キャブレターで言うと 加速ポンプです

スロットル変化量が 1サイクルあたり 何%変化したかを 基準に 変化量が 多い場合、基本噴射以外に 燃料を噴射します

ある程度 基本噴射時間のセッティングが決まれば 非同期噴射さほど必要ないと思っていましたが ジェットの場合は アクセルを戻せば アイドリング付近まで 回転が下がり アクセルを開ければ すぐ6000RPM位まで吹き上がります、吹き上がりが 非常に速いため 必要でした
非同期噴射しないと アイドリングから 一気にアクセルを開けると ストールして しばらくして 吹き上がります キャブだと 流速が落ちて 燃料が吸い出されず エンストしますが インジェクションは 燃料が噴射されているので エンストはしませんが この状態では 乗れません
アイドリングからの全開で 息つぎがでなくなるまで 噴射量を 増加していきます
セティング終了時は アクセルレスポンスも非常に良くなりました


暖気補正

エンジン温度(冷却水温)が低い場合増量します
最初にある程度 同じ温度でデーターを 取りましたから 温度変化は 全体の噴射量を 増減してやれば 対応できます 今日は温度が高いと思えば MAP全体を下げてやれば OKです
温度のデーターをしっかり取って冷却水温の補正を 正確に行えば 1年中メンテナンスフリーで行けそうです

始動時噴射量

エンジン始動時(クランキング時)の噴射量です
これも エンジン温度に影響します 温度が低い場合は 増量します
一番エンジンがかかりやすい噴射量に セッティングします
インジェクションのエンジン始動は アクセルを開けずに 行うのが 普通です
アクセルを開けると 逆に始動しにくくなります これはアクセル開度に関係なく燃料が噴射されるからです

始動増量補正

エンジン始動後 回転が安定するまでの増量です
これも エンジン温度に影響します 温度が低い場合は 増量します
冷えた状態で エンジンを始動して 暖気終了まで エンジンが回転していればOKです
途中で 止まりそうになったりすれば 増量または減量します
冷却水温度で 増量する時間を増減します

フューエルカット

アクセル全閉時に 燃料噴射を止めます 回転が下がってきたら 再噴射をします
車やバイクは エンジンブレーキ時に相当します(燃費向上)が ジェットの場合は 回転がすぐ下がりますので あまり必要ないと思います
また SXI−Proは混合潤滑ですから フューエルカット中の潤滑不足を嫌い 使用しておりません